嵐のあとだった。
この季節にして、当然の嵐。
一体この夏、何度目のことだろう。
午前中に吹き荒れていた空は、
いまはもう何事もなかったかのように晴れている。
いや、
何事かが起こった後しか得ることのない
静寂の空。
その静寂と黄白い空は、不気味なくらい綺麗で
おもわず僕は同化したい衝動にかられる。
だけど、
僕に静寂なんてやって来ないのを知ってるから
すぐに息をした。
生ぬるい空気。
2階の窓からそとをみていたら
どこかの家から、黒いものがすっと出てきた。
黒猫だ。
まだひと気のない道路を、しなやかに歩く。
知らなかった。
彼がほんとは堂々としているんだって。
彼らが動きだしたから、
もう今夜 嵐は来ない。
そうして
夕闇がせまり
夜がくる。
/
/